【メルセデス・ベンツ完全EV化撤回?】新型エンジンについても調べてみた

ベンツのホイール

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世界各国がカーボンニュートラル、脱炭素を掲げて2030年を目標に新車の電気自動車(EV)化を推し進めてきました。

その流れは特にEUで活発に叫ばれてきましたが、ここにきて新たにEV化にかげりが見えてきています。

今回はメルセデス・ベンツ(以下ベンツ)の完全EV化撤回についてまとめてみました。

そのほかにも、EV撤回の背景や、今後の自動車がどう進化していくか予想してみます。

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完全EV化撤回発表について

ベンツグループは、2030年までに「市場の環境が許す限り」販売する新車の全てを電気自動車(EV)にする計画の撤回を発表しました。

2030年以降もプラグインハイブリッド車(PHEV)などのエンジンを搭載した車両を販売します。

これは2023年12月期通期の決算会見で明らかにされたことで、「さまざまなニーズ対応できる体制を整えていく。EVへの変革ペースをを決めるのは、顧客と市場の状況」とし、あくまでも顧客のニーズも含まれると強調しました。

「2030年代まで」内燃エンジン(今のガソリン車など)の販売を継続し、2025年までに新車販売の50%をEVとPHEVにする計画を、2025年後半には最大50%を目指すと見通しも修正しています。

ベンツは欧米の自動車メーカーの中でも特にEVを進めてきた印象があるため、他の自動車メーカーに与える影響は大きいと考えます。

世界の自動車メーカーのEVの動向は?

ベンツと同じくドイツのBMWは、エンジン開発・生産から撤退するという一部の報道に対し、「全くのデタラメ」として完全に否定している。

BMWに近い関係者の情報として、ライバル企業が電動ドライブインに注力する中で、BMWも内燃エンジンを廃止すると欧州では報じられていた。

このような報道を受けて、BMWの研究開発責任者の「フランク・ウェーバー」氏は、「先ず、その事については事実ではありません。第二に、これ以上やることがないというのも事実とは異なります」と説明し、エンジン開発の継続を対外に示した。

EVというワードを使っていないが、つまりはEV開発・製造を縮小または中止して、従来通りの内燃エンジン開発を継続していくと言っているともとられますね。

またこちらもドイツの巨大自動車企業であるフォルクスワーゲン(VW)も、EV車の需要冷え込みを理由に、ザクセン州にあるツビッカウ、ドレスデンの2工場での「ID.3」と「クラプ・ボーン」の生産を約2週間停止したこともあった。
そしてツビッカウ工場の有期契約従業員269人の契約延長も拒否していた。

電気トラックを手掛けるスウェーデンのスタートアップ企業である「ボルタ・トラックス」は、スウェーデンで破産手続きを2023年に決定しています。
これは電池のサプライヤーである米プロテラが米国で破産手続きをしていたことが響いています。

米アップル社が、EV開発から撤退していたとも米メディアが伝えています。

EVの取り組みを推進してきたEUは、この流れに同調しない企業を冷遇をしてきましたが、最近になって自らがEV推進に反対・または縮小した流れに動き始めています。

新型エンジン開発は中国と?

ベンツは中国の吉利汽車(ジーリー)と、ハイブリッドに特化した4気筒エンジンの新開発を進めており、2026年には発売予定です。このエンジンは、欧州の次期排気ガス規制「ユーロ7」に対応するとのことです。

またベンツのケレニウスCEOは、EVのコスト削減のため、今後の市販車の一部に安価なリン酸鉄リチウムバッテリーを採用することも明らかにし、「BYDからリン酸鉄リチウムバッテリーを調達予定」だと、中国のメディアは報道しています。

これによりバッテリーにかかるコストを、30%削減することを目標に掲げています。

ただ個人の感想としては、コスト削減にだけ意識しすぎているようにも感じています。
さまざまな現状を加味した上で開発と供給を受けないと、ますます苦しい展開になっていくのではと危惧します。

EV化に歯止めがかかった要因は?

そもそもどうしてここまでEUはEV促進をゴリ押ししてきたのか?

2050年までに温室効果ガス排出を実質0にする「欧州グリーンディール」を進めており、モビリティの分野では「よりクリーンで低コストかつ、健康的で私的移動手段や公共交通形態を普及させる」としています。
これまでにEUではディーゼル車がもてはやされていましたが、2015年にVWが起こした排気ガス測定での不正を皮切りに、ディーゼル押せ押せムードが衰退していきました。

そこで次の目玉として挙げられたのが、EVだったというわけです。(もちろん、それだけではない理由が見え隠れしていますが、ここでは話題が逸れるので、割愛します)

イギリスは、EVの普及にあたって、購入補助金を給付していたが、2022年6月で打ち切っています。
理由は、「すでにEV普及を政策的に後押しする時期は終えている事が最大の理由」

これは建前で、2020年にEUを離脱した事により人手不足や貿易減などの経済停滞が発生したため、資金が不足しているのが主な原因だと推測されます。

ただ補助金があっても、そもそもが高額なため購入出来る層が限られていのが実情です。

イギリスでは、電気代が急騰しているのも要因の1つとして挙げられます。
電気で動くEVとしては、電気代高騰による影響は無視できないものです。

充電スポットの普及が進まないこと、買い控えに拍車をかけています。

普及しない要因は

  • 維持管理コストが高額
  • 機械の耐久性が、8年前後と短い
  • 採算が合わないケースも

まだまだあります。
自動車を乗るときに任意保険に加入する人がほとんどだと思いますが、EVは故障すると修理費が高くなる傾向にあり、それを補う為に保険会社は保険料をガソリン車と比べて高く設定しています。

そうなるとそもそも車体代が高いのに加え、必要な保険料が高いとなれば、購入時の選択肢から外れるのは避けられません。

EVで使用されるバッテリーは、低温時は充電速度が低下して、寒い地域によっては、充電自体が困難になるケースも。

EUは寒い国も多いので、そもそも充電が困難になる車は、便利なツールとしてその存在意義がなくなってしまいます。

これらの要因に加え、電気自動車のバッテリーを製造するには、リチウムやニッケルなどを大量に採掘しなければならず、自然環境の破壊につながりバッテリーの大量製造について疑問を投げかけるケースもあります。

また、バッテリーに必要な電力は主に火力発電から生み出されています。化石燃料を燃焼しなければいけないので、二酸化炭素が大量に排出されている状況です。さらにバッテリーの負極に使用されているグラファイトを3,000℃の高温下で加工する際にも、二酸化炭素が排出されています。
リチウムイオンバッテリーを製造するときにかかる環境負荷に気づく人も増えてきており、一時期のEVこそ自動車の正義みたいな考えは廃れてきたのでしょう。

今後の自動車はどうなるか予想

今後はますますEV需要が低下していき、ハイブリッド車が主流になると予想されます。

それに伴う各社のEV販売・開発は下火に。

理由としては、アメリカ最大手のレンタカー会社「ハーツ」が、新型コロナの影響による急激な業務悪化のため2020年5月に経営破綻しており、それを機に保有していたEV2万台を売却しています。(ただし、営業は続いている)

破綻したとは言え、アメリカの業界最大手がEV車を手放したということは、それを裏付けていると考えます。

ではガソリンエンジンだけが続くのかというと、そんなことは無いと思います。

二酸化炭素による温暖化の影響はさておき、トヨタが開発を進めている水素を燃料としたエンジンのさらなる実用化は、次世代の候補として予想されます。

またその他の燃料として、航空方面ではアンモニアを使用する動きになっています。

アンモニアは次世代航空燃料として注目されており、輸送コストが低く、水素と比べて輸送管理も容易というメリットがあります。

そのアンモニアを「グリーン水素の生成・輸送手段」として考えてみてください。

アンモニアはすでに流通網が発達しており、世界約200の港で貯蔵タンクや工場等につながるパイプラインを利用できるほか、アンモニア輸送のノウハウをもつ海運会社がすでに存在しています。これはとても大きなアドバンテージと言えます。

そのアンモニアから窒素とグリーン水素に分解する。グリーン水素を自動車の燃料として使用すれば、今よりも安価に使えることは間違い無いでしょう。

でも、EVは今後なくなってしまうのかというと、そんなことは無いと思います。

トヨタは出光興産株式会社と、バッテリーEV用の有力な次世代電池である全固体電池の量産化に向けて、固体電解質の量産技術開発や生産性向上、サプライチェーン構築に両社で取り組むことを、合意しています。
全固体電池の材料開発等で世界をリードする両社が連携することで、2027~28年の全固体電池実用化をより確実なものとし、その後の本格量産を目指しています。

そうすれば、近場での移動に強みがあるEV車も再注目されていくことでしょう。

まとめ

今回はベンツのEV化撤回についてまとめてみました。

そこから世界中のメーカーもEVから離れていく事実を知ることができました。

今後はますますハイブリッド車が目立っていくと思いますし、その技術はすでにトヨタが公開しています。
その技術を使用して各社がハイブリッド関係で鎬を削っていくことでしょう。

それ以外にも新しいEV用全個体電池の技術発展に期待しながら、今後も車が便利で楽しい存在でいてくれることを望みます。

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